階段がべとつくという話

俺の住んでいるアパートの階段が辺り一面べとついていやがる。どこぞのクソ野郎がなにかを落としやがった。俺はそれに悪意を感じた。犯人は定かではない。だが見当はついている。クソ野郎は今までもゴミを毎日のように階段に捨てていきやがった。ほぼ毎日だ。もうそれは一年程前から続いていた。ゴミが落ちている時も不快感を覚えたが今回は階段そこらじゅうがべとべととしてやがる。これには怒りが収まらない。かといってその犯人を裁くことができない。証拠もないし、もしかしたら犯人ではない可能性もある。しかしこのべたつきだけでも解消したい。数日は我慢したがやはり毎日通る階段で通るたびに怒りが込み上げてくる。たまに清掃会社が掃除にくるが結構テキトーな掃除なのでというかほぼ掃除なんてしていない。ただチェックシートに掃除した事を記入して帰ってるだけだ。これはこれで問題ありなのだが、それでもまあこちらから階段が汚れているから掃除してほしいと訴えればさすがに掃除するだろう。私は管理会社へ電話をした。とりあえずコールセンターへ繋がる。そこで階段の清掃を依頼した。電話越しのオペレーターは了解したといい清掃会社へ階段もちゃんと清掃するように伝えるといっていた。12/25清掃済みとチェックシートに書かれていた。階段は相変わらずべたべただ。掃除した形跡はほぼ皆無。階段がべとべとしていたら行う掃除方法として考えられるのは水を流し、洗剤をまき、ブラシでこすり、最後にもう一度水で洗い流すということが想像につくと思う。だがそんな形跡はない。ここで考えられるのはオペレーターがこちらの要件を清掃会社へ伝えていないということ。オペレーターの伝え方が不十分だったということ。清掃会社に要件はちゃんと伝わったが末端の清掃員にそのことが伝わっていなかったということ。ちゃんと清掃員にそのことが伝わっていたにもかかわらず清掃されなかったこと。もうどのケースでも構わないが怒りは頂点を極める。いろいろなところで怒りポイントが加算されていく。ポイントカードがあったら一気に2枚目にいってしまいそうな程。コールセンターへ電話してから清掃されるまで結構待っていた。約2週間ぐらいだ。それでこの結果というのは話しにならない。もはやどこへ怒りをぶつけていいのかよくわからない状態と化している。俺は再度コールセンターへ電話をかけた。経緯を話し再度清掃を頼んだ。オペレーターはもう年内は無理ですねと言ってきた。ふざけるなと語気を強めた。オペレーターの息遣いが少し変わったように感じた。やや緊張が走ったようだ。しかしもう年内の清掃は無理と言ってそこから一歩も前には進まない。俺はさらに語気を荒げた。オペレーターという奴らはここまで言わないとどうやら動いてくれないらしい。一旦確認をとるというこで電話は切った。再度コールセンターからかかってきたが人は変わっていた。さっきのオペレーターは逃げたみたいだ。べつにいい。早く掃除してくれ。とりあえずどこか明日にでも掃除できる業者を探し早急に掃除するということで話しは終わった。そして1日が経過したが階段はべたべたのままで、連絡もない、そこにはべたべたという俺の足音だけが今も続いている。